2015/01/03

DESPATCH運用終了のお知らせ

2014年12月3日にH-IIA F26の相乗りで地球脱出軌道に投入された深宇宙彫刻「ARTSAT2:DESPATCH」も、打ち上げから1ヶ月を経ました。すでにDESPATCHのバッテリーが枯渇し、電波の送信も停止したと推定されます(無線機の稼働時間から、打ち上げから27日間電波を送信したと予測しています)。
主管制局の多摩美術大学地上局においても、本日1月3日をもってDESPATCHの運用を終了することとしました。DESPATCHの設計制作時から、多くの方々に協力、応援いただき、また多くの優れたアマチュア無線家の方々に、DESPATCHからの微弱な電波を受信していただきました。この場をもって、改めてお礼を申し上げたいと思います。
DESPATCHの受信報告は以下のページにまとめられています。
Reception Reports (受信報告)
最終的には地球から470万キロメートル(月までの距離の12倍以上)という、予想をはるかに越えた遠方からの受信報告をいただきました。これらは2つのアマチュア無線局間での通信距離の世界記録になります。
DESPATCHの軌道要素は以下の通りです (J2000 日心黄道座標)。
  • – Semi-major axis (軌道長半径) a : 1.003881127 [AU]
  • – Eccentricity (離心率) e : 0.08741828512
  • – Inclination (軌道傾斜角) i : 6.796995362 [deg]
  • – Argument of perihelion (近日点引数) w : 96.90057903 [deg]
  • – Longitude of the ascending node (昇交点黄経) W : 250.5520871 [deg]
  • – Mean anomaly at epoch (平均近点角) M : 101.6280436 [deg]
  • – Epoch (元記) : 2457023.50000 [JD]
  • (Time of perihelion (近日点通過時刻) : 2456919.7870655278675 [JD])
cf. Orbital elements of EARTH :
DESPATCHの天球位置および軌道は以下のウェブページから常時確認できます。
Celestial Sphere (天球位置)
Orbital Position (軌道位置)
DESPATCHからの電波の送信は終了しましたが、宇宙を巡る彫刻作品としてのDESPATCHの寿命は半永遠です。
DESPATCHの今後500年間の軌道(地球との距離)を予測してみました。

500years


500years_large


DESPATCHは人工小惑星として、これからも太陽の周りを周回し続けます。地球との距離の極小値を調べたところ、およそ350年後には地球から100万キロ以下まで近づきます。さらには予期せぬ他天体からの影響により、思いもかけずさらに地球に近づくかもしれません。
これからも、時にはこの世界で最も遠い芸術作品としてのDESPATCHに、思いを馳せてくれれば幸いです。
ARTSATプロジェクトは今後とも継続していきます。ARTSAT3の概念設計もすでに開始しています。今後ともプロジェクトに対する協力と応援をよろしくお願い致します。
2014年1月3日
ARTSATプロジェクト