ARTSAT

芸術衛星 INVADER

ARTSATプロジェクトは、衛星を専門家のための「特別なモノ」から、市民の日常の中の「身近なコト」へと変えていくために、次の3つのコンセプトを実現する、衛星や宇宙機のデザインと作品の制作を目指しています。
  1. 広く社会に開かれた「みんなの衛星」
  2. 人間の感覚や感情を刺激する「感じる衛星」
  3. 衛星本体の機能と外見がトータルにデザインされた「美しい衛星」
パーソナルメディアとしての宇宙機の可能性をさらに拡げるため、ARTSATプロジェクトでは、芸術作品に利用することを主目的とした、世界初の芸術衛星「ARTSAT1: INVADER(*)」の開発と運用を行なってきました。INVADERは、一辺が10cm立方、重量約1.8kgの1U CubeSat規格の超小型衛星です。CubeSatとは、1999年のUSSS会議で採択された、世界最小の小型人工衛星規格で、2003年6月30日には、東京大学の大学生が設計・製作したXI-IVと、東京工業大学の大学生によるCUTE-Iが、世界初の打ち上げに成功しました。 INVADERは、2014年2月28日(日本時間)、H-IIAロケット23号機の相乗り副衛星として、高度378kmの円軌道、傾斜角65度の太陽非同期軌道に投入されました。INVADERは、その後軌道上で順調に運用を続け、多摩美術大学に設けられた主管制局からのコマンドによって、音声や音楽、詩のアルゴリズミックな生成と送信、写真の撮影と送信、チャットボットによる地上との対話といったさまざまな芸術ミッションを行い、フルサクセスを達成しました。INVADERは当初の予定より2ヶ月長く軌道上を周回し、2014年9月2日9時47分(日本時間)に大気圏にデオービット(再突入)しました。
(*) INteractive Vehicle for Art and Design Experimental Research INVADER_FM_Photo

INVADERのミッション

(1) 衛星からのデータを活用したアート作品の制作やデザイン製品の開発:
パネルの温度や衛星の姿勢、太陽電池の発電量といった衛星から送られてくるわずかなデータを元に、そこから人間の知覚を揺さぶり、感覚に訴えるメディアアート作品を制作します。同時に、衛星の動きや状態、周囲の環境と連動した家具やアクセサリなどの日用品やアプリケーションをデザインすることで、日常生活の中に衛星や宇宙の気配を取り入れていくことを試みます。
(2) 衛星データ活用のための使いやすいインターフェイスの設計開発:
(1)で述べた衛星芸術作品や衛星データを活用したアプリケーションの制作開発を容易にするために、多摩美術大学の地上局に設置するサーバーからインターネットを介して衛星データを簡単に取得することができるインターフェイス(API)を設計開発、実装します。
(3) 衛星をメディアとしたインタラクティブ作品の制作:
衛星からのデータを地上で受信するだけでなく、オープンソースハードウェアを用いたミッション専用のArduino互換コンピュータ(OBC)を搭載することで、衛星とのダイナミックなインタラクションを可能にします。さらに、ミッション用のコンピュータを軌道上でプログラム更新可能にすることで、衛星運用期間中に、さまざまなアルゴリズムによる実験を行います。
(4) アートやデザインを通じた社会提案:
(3)で述べた衛星とのインタラクション機能を活用したエンターテインメント作品や、スマートフォンを活用したモバイル地上局のデザイン、衛星プログラムの公開や公募など、さまざまなイベントやワークショップの実施やソーシャル・メディア(SNS)の活用を通じて、アートやデザインを通じた衛星の新たな利用方法を広く社会に提案していきます。
INVADER Promotion Video from artsat on Vimeo, directed by Tsushima Takahiro.

INVADERの機能

  1. 芸術/デザイン活用を主目的とした世界初の芸術衛星
  2. 一辺が10cm立方、重量約1.8kgの1UCubeSat規格衛星
  3. アンテナを中央に配置したアルミニウム削り出しフレームによる美しい衛星
  4. Arudino互換MissionOBC(Morikawa)によるユーザープログラムの軌道上実行
  5. Morikawaによるコントロールが可能なインテリジェントカメラ
  6. 芸術利用に適したテレメトリデータのARTSAT APIによる配信
  7. Morikawaによるデジトーカーを用いた合成音声およびトーン送信
  8. Morikawaに搭載されたINVADER VM(仮想機械)による地上からのプログラム送信(リプログラム)
  9. Arduino/Processingによるクライアント制作とアマチュア無線コミュニティとの連携

HAM Information

Call Sign:JQ1ZKK

Downlink (CW Beacon, A1A)

  1. Frequency : 437.325[MHz]
  2. Transmitter Power : 100[mW]
  3. Antenna : Half-wave dipole antenna
  4. Protocol : Morse code

Downlink (FM Packet, F2D)

  1. Frequency:437.200[MHz]
  2. Transmitter Power : 800[mW]
  3. Antenna : Half-wave dipole antenna
  4. Modulation : AFSK 1200bps
  5. Protocol : AX.25

Downlink (Digitalker, F3E)

  1. Frequency:437.200[MHz]
  2. Transmitter Power : 800[mW]
  3. Antenna : Half-wave dipole antenna
  4. Modulation : AFSK 1200bps
  5. Protocol : Sound/Voice

Uplink (FM Packet, F2D)

  1. Frequency:145 MHz Band
  2. Antenna : Quarter-wave monopole antenna
  3. Modulation : AFSK 1200bps
  4. Protocol : AX.25

CW FORMAT

FM Packet Analysis Sheet (.xls)

Verification Card Design

Links

INVADER Repository on ARTSAT Github

Realtime INVADER Tracker by Atsushi Tadokoro